雨が降ったときに放射線量が上昇する理由

2011.10.18

雨が降ったときに放射線量が上昇する理由

放射線量は雨が降ると上昇します。ましてや台風がきたりするとその上昇率は半端じゃありません。

東京、新宿にある東京都健康安全研究センターが1時間ごとに大気中の放射線量について公表していて[Link]定期的にチェックしてたりするのですが、普段は毎時0.05から0.06マイクロシーベルト程度のところが、2011年9月21日の台風15号のときには、あっという間に毎時0.09マイクロシーベルト近くまで急上昇。
 
地面に落ちているセシウムが舞い上がったのか、また福島第一原発で爆発か気になるなぁとTwitterに投稿したら「これはウランが崩壊した時にできるラドンの影響」だと教えてもらったので、もうちょっと突っ込んで調べてみました。
(Thanks to @guri_gura)

 

いろいろ調べみて分かったのですが、自然界にあるウラン238は時間が経つと崩壊してやがてラドン222という放射性物質に変化し、地中からガス状になって空気中に舞い上がるんですね。そして鉛214やビスマス214に変化しながら空気中を漂っていると。。。
 
で、この空気中を舞っているちり状のビスマスが雨のときに雨粒にくっついて地表に落下し、放射線量が上昇するわけです。

崩壊してなくなっちゃうんですね。ウランがちょっとづつ崩壊してラドンができて、それは気体だからお空にのぼっていく。崩壊するとビスマスになって、ホコリにつく。
(野尻美保子・物理学者2011.09.21)

東京,雨がおさまってきた.それとともに新宿百人町の空間線量も減少中.今日の雨では,各地で天然放射性物質ビスマス-214による線量上昇があった.
(早野龍五・原子物理学者2011.08.19)

ビスマス214の半減期はわずか19.9分。雨が弱まると元の数値に戻っていくのもこれで納得です。

 
参考までにウラン238が崩壊していく過程は以下のとおり。

ウラン238 → トリウム234 → プロトアクチニウム234m → プロトアクチニウム234 → ウラン234 → トリウム230 → ラジウム226 → ラドン222 → ポロニウム218 → 鉛214 → アスタチン218 → ビスマス214 → ラドン218 → ポロニウム214 → タリウム210 → 鉛210 → ビスマス210 → 水銀206 → ポロニウム210 → タリウム206 → 鉛206

長い道のりを経て、ウラン238は鉛206となって落ち着くというわけです。

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