風の谷のナウシカたちはなぜ腐海のそばに住み続けているのか

2012.03.11

風の谷

この1年、ずっと宮崎駿の描く終末世界が気になっていました。

超磁力兵器による最終戦争が起こり、地軸がネジ曲がった世界が舞台の「未来少年コナン」。巨神兵による「火の7日間」で焼き尽くされた世界が舞台の「風の谷のナウシカ」。原子力発電所の事故で地上に住めなくなった世界が描かれるCHAGE & ASKAUKAのPV「On Your Mark」。

どれも示唆に富んだ物語で、取り上げだすとキリがないのですが、中でも私が特に気になっていたのが「風の谷のナウシカ」です。

 
「風の谷のナウシカ」の舞台は、高度な文明が「火の7日間」と呼ばれる戦争で崩壊し、有毒な瘴気を発する腐海と呼ばれる森が地表を覆っている世界。

風の谷に住む人々は海からの風によって腐海の毒から守られてる
風の谷に住む人々は海からの風によって腐海の毒から守られてる土地に暮らしています。

 
歳を取ると毒で手が動かなる毒性
腐海の森の中はマスクなしでは5分と生きていることは出来ないぐらい強い毒があり、腐海のそばにある風の谷でも歳を取ると毒で手が動かなくなったりするぐらい。

 
昔、確か中学生ぐらいだった私が初めてこの本を読んだときの素朴な疑問が、なんでこんなところで暮らしてるんだろうということでした。腐海の毒に怯え、毒に侵されながら暮らすぐらいなら隣のトルメキアにでも引っ越せばいいのになぁ。なんて思っていたわけです。

 
それから四半世紀以上が過ぎ、結婚して子どもが生まれ、宮崎駿がナウシカを描きはじめた年齢と同じぐらいになって読み返してみると、なぜ彼らが腐海のそばに住み続けているのか。その理由が分かったような気がしました。
 

土に根を下ろし 風と共に生きよう 種と共に冬を越え 鳥と共に春を歌おう
(天空の城ラピュタ「ゴンドアの谷の歌」より)

 
結局のところ人は土地に根を下ろし、その土地と共に生きていく生き物なんでしょうね。
もちろん例外もあるでしょうし、若いうちはそんなこと思いもしないかもしれません。でも長く暮らした町の空気やその土地のもつ独特の気候は知らないうちに体に染み込んでいて、どこか遠くに出かけてみても、そこへ戻ると帰ってきたと思える場所になっていたりするんじゃないでしょうか。

 
生きるということには、いろんな側面があります。
もちろん長く楽しく健康に暮らせることが一番ですが、風の谷に生まれ、風の谷で暮らしている彼らにとっては、腐海の毒に怯え、毒に侵されながらでも、その土地に暮らすことが「生きる」ということなんでしょうね。

(画像はすべて「風の谷のナウシカ」1巻より)

 

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