82日間東京湾1周!? 葛西臨海水族園から脱走したフンボルトペンギン「337番」のニュースを時系列でまとめてみました

2012.07.19

葛西臨海水族園

2012年3月4日に葛西臨海水族園を逃げ出したフンボルトペンギンが5月24日、無事捕獲されました。

82日間の野生生活で胸筋が発達し、ワイルドになって帰ってきたフンボルトペンギン「337番」。脱走から捕獲、そして命名までのニュースを時系列でどうぞー。

 
3月4日
3月4日に撮影されたフンボルトペンギン

4日午前11時ごろ、東京都江戸川区の都立葛西臨海水族園に「川にペンギンらしきものがいて確認してほしい」とメールで通報があった。園の職員が約1時間後にメールに気づき、飼育中で絶滅危惧種のフンボルトペンギン135羽を確認したところ1羽がいなくなっていた。
(産経新聞 2012.3.4)

目撃されたのは園の東約1キロ付近の旧江戸川河口。見つけて写真を撮影したのは隣接する鳥類園の職員でした。その後、水族園の職員8人が探してみるものの残念ながら見つけることは出来ず。公式ページには「フンボルトペンギンの脱出について」というタイトルでニュースが掲載されました。

脱走時の葛西臨海水族園ニュース
(葛西臨海水族園ニュース 2012.3.4)

 

3月5日
ペンギンの捜索が行われました。

東京都江戸川区の葛西臨海水族園(Tokyo Sea Life Park)からフンボルトペンギン1羽が逃げ出したことが分かり、同園の関係者らが5日、ペンギンの捜索を行った。ペンギンが最後に目撃されたのは水族園付近を流れる旧江戸川の河口だった。
(AFP 2012.3.6)

 
専門家が考える脱出経路など。

脱出経路は不明ですが、高さ1.5メートルの擬岩をよじ登り、さらに二重のフェンスを突破しなければ園外には出られない状態。おそらく、好奇心旺盛な若鳥が、あちこち探索している内に、偶然外に出てしまった可能性が大きいと思われます。

ペンギンはイワトビペンギンを筆頭として、大型の2種(エンペラーとキング)以外は、ジャンプ力があり、場合によっては1メートル以上「立ち高跳び」の状態で跳びあがることがあります。たいていは、1メートルを一気に跳ぶのではなく、岩の角度や凹凸などを利用して、爪を引っかけて素早く2~3回ジャンプを繰り返して登ります。また、フェンス等は、フェンスの破れ目や下を潜り抜けたり、土を掘って通路をつくり脱出することもあります。さらに、フェンスの網の目に爪とクチバシを引っかけてよじ登ることもあります。
(ペンギン会議研究員 上田一生 Official Web Site 2012.3.5)

 

3月26日

以降、職員が捜索を続けています。また、近隣の関係各機関等には情報の提供をお願いしています。しかし、発見につながる有力な目撃情報は、残念ながら得られていません。
(葛西臨海水族園ニュース 2012.3.26)

職員の捜索は続いています。

 

4月12日

東京都江戸川区の葛西臨海水族園(Tokyo Sea Life Park)は12日、前月初めに同園から逃げ出したフンボルトペンギンの幼鳥1羽の捜索を打ち切ると発表した。
 
同園はこれまで毎日、川岸を徹底捜索してきた。しかし同園の杉野隆(Takashi Sugino)氏はAFPに対し、ペンギンは東京湾付近の川のどこかで無事に生きていると信じているが、遠くまで泳いでいったのであれば東京湾は広く、発見は難しいと説明。1か月近く捜索しても見つからないのではもはや打つ手がないと述べた。
(AFP 2012.4.13)

残念なことに捜索が打ち切りになりました。夏になると体毛が白黒に生え変わり目立つようになるのでそのころに期待したいとのこと。

 

5月7日
海上保安庁撮影のフンボルトペンギン

海上保安庁が今月に入って撮影した映像には1羽のペンギンが映っており、同水族園の坂本和弘副園長は「翼に付いた識別用のリングと顔の模様から、逃げ出したペンギンと同じだと思う」と話した。
(REUTER 2012.5.17)

逃げ出したフンボルトペンギンの目撃情報は4月下旬から急増し、5月7日には海上保安庁が発見。巡視艇2隻、海上保安官10人がかりで約1時間追跡して鮮明な画像の撮影に成功したのですが見失ってしまいました。

 

5月12日

水族園によると、12日正午ごろ、中央区晴海の沖合を船で通過した男性から「ペンギンのような生き物を見かけた」と電話があった。男性が撮影した動画はテレビ局に持ち込まれ、園が確認したところ、元気に泳ぐペンギンの姿が収められていたという。右の羽には個体識別を示す黄色の腕輪が見え、顔つきも似ているため「脱走した幼鳥で間違いない」と判断した。泳いでいた場所はレインボーブリッジと晴海ふ頭の間とみられる。
(毎日新聞 2012.5.14)

 

5月23日

葛西臨海水族園(江戸川区)を脱走したと見られるフンボルトペンギンが、5月23日、金町浄水場(葛飾区金町浄水場)付近の江戸川で目撃され、周辺地域で話題となっている。
(亀有経済新聞 2012.5.24)

金町浄水場は河口から約19キロ離れていて、今まで目撃された中で最も遠い地点になりました。

 

5月24日 17:30 捕獲!
フンボルトペンギン「337番」

同園によると、同日午前11時ごろ、千葉県市川市の江戸川にかかる行徳橋近くの住民など複数の目撃情報が寄せられ、駆けつけた職員が捜索し発見。一度は水中に逃げられたが、午後5時半ごろに再び上陸したところを、職員が体を伏せて静かに近づき素手で捕獲した。暴れることはなかったという。
(産経新聞 2012.5.24)

職員はたったの2名、しかも素手で捕獲したとのこと。3月4日の脱出劇から82日目のことでした。このニュースは世界中を駆け巡り、BBC、CNN、New York Postなどにこの写真がどーんと掲載されています。

 
ペンギン目撃マップ
目撃情報をざっくりプロットしてみたのですが、82日間でずいぶんあちこち泳ぎ回ったみたいですね。何はともあれ無事で何よりでした。
(主な目撃地点は読売新聞 2012.5.19 の記事[Link]に他のニュースの情報を追加して作成しました)

 
 

5月25日
上野動物園から獣医師がやってきて健康診断が行われました。

全般:栄養状態は良く、人に対する反応も良い。脚にも異常はみられない。

目の異常:眼が充血し、やや腫れていた。結膜炎の疑いがある。しばらくは目薬をさして治療をおこなう。

翼の付け根の状態:翼の付け根につけていたリング(個体識別用)の影響で羽が一部抜けていた。リングを外し診察したが、皮膚に異常はなかった。
(葛西臨海水族園ニュース 2012.5.25)

葛西臨海水族園の坂本和弘副園長によると「たくましくなって、かなりガッチリしています」とのこと。同年代のペンギンたちと比べると胸の筋肉がしっかりついて、ずっしりしてるんだそうです。

 

6月7日
フンボルトペンギン「337番」
一週間の検疫期間を終え、無事一般公開になりました。ただ、群れと離れて泳いだり、丘の上に一羽でたたずんでいたりと仲間にとけ込めない様子が目立っているのだとか。
(写真は東京新聞より。左:2012.06.07右:2012.6.8

坂本和弘副園長(51)は「まだ警戒心が強く、群れになじんでいないが、午後のエサやりでは群れに加わり、大きなアジをくわえていた。心配ない」と説明。ペンギンを捕獲した飼育担当の山本達也さん(26)も「他のペンギンから攻撃されておらず、落ち着けばとけ込むはず」
(東京新聞 2012.6.8)

と楽観的なコメントを残しています。

 

6月14日
名前をつけてあげてほしいという要望が水族園に相次いだため、愛称を募集することが発表されました。応募期間は6月15日から7月1日。水族園内に設置された応募箱から投票する仕組みでした。

 

7月10日
応募総数6433通の中から「337番」の愛称として「さざなみ」が選ばれました。
東京都庁広報課 on Twitter
(東京都庁広報課Twitter2012.07.10)

脱出したペンギンの個体番号337番の語呂合わせからの提案ですが、この個体ならではの愛称となること、また波の穏やかな東京湾の様子も連想させます。寄せては返す波のように、水族園に戻ってきたとの応募理由も参考に選定しました。
(東京都報道発表2012.07.10)

とのことで「さざなみ」は43通で14番目。応募数が多かった愛称はペンペン、ボルト、ペン太、ルパン、元気、にげ太、ダッソーなど。にげ太かわいかったのに残念(笑)

 

7月14日
葛西臨海水族園で命名式が行われました。名付け親として5人が招待され記念品が贈られたあと、さざなみにエサをあげるセレモニーが行われましたが、さざなみは群れから離れ、エサに見向きもしなかったのだとか。

まあそんなものですよね(笑)。

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