いつもと同じ1日が1秒だけ長い1日に。2012年7月、3年半ぶりに「うるう秒」がやってきます

2012.06.25

2012年7月1日8時59分60秒

2012年7月1日、8時59分59秒のあとに60秒目が追加されます。

 
「うるう秒」挿入のお知らせ
(総務省報道資料2012.01.31)

協定世界時(UTC)で2012年6月30日23時59分59秒の後に1秒追加されることを受けて、日本でも同時刻2012年7月1日8時59分59秒に1秒追加されることになっています。

この「うるう秒」実施は1972年(昭和47)以来25回目。2000年以降では2006年1月1日、2009年1月1日につづいて3度目の実施です。

どんな仕組みなのかちょっと気になって調べてみたのでまとめておきます。

 

現在の1秒はどのように決められているか

「秒」の定義は古く、西暦1000年ごろには、1日を24分割した「時」、それを60分割した「分・minute」、もう一度60分割した「秒・second minute(2回分割されたという意味)」という言葉が登場しました。

秒針を持った時計の登場は1560年ごろ。

時計の精度が向上すると、地球の自転周期が一定でないこと、季節によっても違いがあることがわかり、1960年に国際度量衡総会において「1秒 = 1太陽年の 1/31556925.9747」と定義。1967年には「1秒 = セシウム133の原子の基底状態の2つの超微細準位の間の遷移に対応する放射の周期の9192631770倍に等しい時間」と再定義されています。

 

2つの時間が存在する世界

現在の世界では大きく分けて2つの時間が存在しています。ひとつは地球の自転をベースにして決められた「世界時(Universal Time・略称UT)」で、もうひとつは1958年1月1日0時0分0秒をベースに原子時計が刻み続ける「国際原子時(Temps Atomique International・略称TAI)」です。

 

「うるう秒」が必要なわけ

世界時(UT)は地球の自転が一定でないために、安定的に使用することができません。また国際原子時(TAI)では正午に太陽が真上にくるといった天体的な事象との間に誤差が生まれます。その誤差を解消するために生まれたのが「協定世界時(Coordinated Universal Time・略称UTC)」。国際原子時(TAI)をベースに「うるう秒」を挿入することで世界時(UT)との誤差が0.9秒以内になるように決められています。

 

どんどん遅くなる地球の回転

今回の「うるう秒」調整は「正のうるう秒(positive leap second)」と呼ばれるもので1日の中に1秒を追加します。1秒を削除する「負のうるう秒(negative leap second)」というのもあるのですが、今回同様過去24回はすべて「正のうるう秒」で、1972年にうるう秒の制度がはじまってから一度も使われたことがありません。
(2011年の時点で1958年からの累計「正のうるう秒」は34秒になっています)

 
19世紀ごろの24時間と比べると現在の24時間は1000分の2秒程度1日が長く、このままいくといつか1日は25時間になるんだとか。

もしもこの割合がこれからもずっと続くと考えると、5万年で1秒、1億8千万年で1時間長くなることになります。このことはつまり、1億8千万年後には、1日の長さが25時間になってしまう
(国立天文台Q&A:1日の長さは変化しているの?)

地球の自転速度は短期的にはともかく、長期的には減速傾向にあることは明らかで、21世紀中に毎年1回うるう秒が発生するようになると言われています。

 

「うるう秒」は今年が最後!?

2012年1月16日、スイスで開かれた国連の専門機関、国際電気通信連合(ITU)の無線通信総会で「うるう秒」廃止提案が提出されました。

 総会では廃止論を唱える米国やフランス、日本などに対し、グリニッジ天文台を持つ英国や中国、カナダが存続を主張し、採決には至らなかった。議論は今後も続くが、廃止の場合も正式決定は2015年の総会に持ち越される。
 うるう秒が廃止されると、ずれは100年で90秒に拡大し、遠い将来には正午なのに日がまだ昇らないといった状況も想像される。
(産経ニュース2012.01.20)

 
コンピューターの誤作動などが理由の廃止推進派と、市民生活と時刻の差は小さいほうがいい廃止反対派という感じでしょうか。100年で90秒差なら2100年1月1日あたりにまとめて調整するという選択肢もあるのかも。2015年の正式決定しだいでは2012年の「うるう秒」が人類史上最後の「うるう秒」になるかもしれません。

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