「昨日の疲れ」が抜けなくなったときに食べるもの
2014.08.28
文部科学省疲労研究班の調査によると働く日本人の56%が疲れているのだそうだ。
8,000万人の就労人口のうち、4480万人もの人が疲れていて、そしてそのうち3,120万人が6か月以上継続して疲れている慢性疲労状態なのだとか。
では「疲れ」って具体的にはどういうことなのか。そしてそれを解消するにはどうしたらいいのか。そんなことが気になったので、少し調べてみました。
「疲れ」とは体から脳へのSOS
文部科学省疲労研究班によると、「疲れ」は「痛み」「発熱」と並ぶ3大生体アラームの一つ。「疲れ」はストレスや運動などで細胞が大量の酸素を使うときに発生する活性酸素によって細胞が傷つけられ(さび付いて)、機能が低下した状態のことで、これが脳に伝えられ「疲れた」と感じるようになるのです。
「疲れ」がたまるのは疲労回復機能が十分に働かないから
人間の体には活性酸素で傷んだ細胞を修理する(疲労回復させる)仕組みが備わっていますが、栄養素が不足すると疲労回復が満足に行われず、常に疲れている状態になってしまいます。疲労回復機能を十分に働かせるにはしっかりと栄養を取ることが必要です。
体内でエネルギーが作られるときに必要な7つの栄養素
体内でエネルギーが作られるときに必要な栄養素をまとめてみました。炭水化物をアセチルCoAに変える「ビタミンB1」「α-リボ酸」、脂質をアセチルCoAへと変える「パントテン酸」「ビタミンB2」「L-カルニチン」、TCA回路をスムーズに動かす「クエン酸」、そしてATP(アデノシン三リン酸)に変える「コエンザイムQ10」。どれも大切な栄養素です。
活性酸素を除去する「イミダゾールジペプチド」
強い抗酸化作用と疲労を軽減する効果が実証され脚光を浴びている「イミダゾールジペプチド」も疲労回復を助ける栄養素の一つ。「イミダゾールジペプチド」の一種で鳥類に多く含まれる「カルノシン」は渡り鳥の長距離移動を可能にし、回遊魚に豊富な「アンセリン」は長時間泳ぎ続ける持久力の源となっています。またマッコウクジラ以外のくじらに多く含まれる「バレニン」は、不眠状態で数千キロ泳ぎ続ける原動力になっていると考えられてます。
疲労感を和らげる「セロトニン」を生み出す「トリプトファン」
幸せホルモンとも言われる脳内伝達物質「セロトニン」。これを生み出すのに必要な成分の一つが「トリプトファン」です。「セロトニン」が減少すると疲れを必要以上に感じてしまうこともあるので、不足しないように心がけたいところです。
まとめ:疲れをとるために食べるといいもの
肉類
豚肉(ビタミンB1)
豚レバー(パントテン酸)
鶏胸肉(イミダゾールジペプチド、CoQ10、トリプトファン)
ラム肉(ビタミンB1、L-カルニチン)
くじら肉(イミダゾールジペプチド)魚介類
まぐろ(イミダゾールジペプチド、CoQ10、トリプトファン)
うなぎ(ビタミンB1、B2)
いわし(CoQ10)
かつお(ビタミンB1、L-カルニチン、イミダゾールジペプチド)
のり(ビタミンB1、トリプトファン)野菜類
じゃがいも(α-リボ酸)
トマト(α-リボ酸)
カリフラワー・ホウレンソウ(CoQ10)
さやえんどう(ビタミンB1、トリプトファン)
にんにく(パントテン酸)
しいたけ(ビタミンB1、パントテン酸、トリプトファン)乳製品
牛乳(パントテン酸、L-カルニチン、CoQ10)
チーズ(ビタミンB2、L-カルニチン、CoQ10、トリプトファン)穀類・豆類
ごま(パントテン酸、CoQ10、トリプトファン)
大豆(ビタミンB1、CoQ10、トリプトファン)-豆腐、豆乳、味噌なども果実類
アボガド(パントテン酸、L-カルニチン、CoQ10)
グレープフルーツ(クエン酸、CoQ10)
いちご(クエン酸、CoQ10)
食材はあくまでも一例です。一つの栄養素だけで効果があるものではないので、さまざまな栄養素を組み合わせてバランスよく摂取することが必要です。また、何を食べるかも大事ですが、食べる量も大事。食事量を腹七~八分目ぐらいに抑えることも疲れにくい体づくりにつながるようですよ。
庶民的には、豚と鶏胸肉、トマトにじゃがいも、豆腐や味噌汁という感じでしょうかね。個人的には、くじらの赤身に含まれる「バレニン」が気になったので、機会があったら食べてみたいと思っています。
参考
・1行リフレッシュ術―スグ効く!医師がすすめる疲れをためない方法114[Link]
・「昨日の疲れ」が抜けなくなったら読む本[Link]
・抗疲労食―毎日の食事が疲れに効く![Link]
・インフルエンサーワイヤー(iWire)[Link]