村上春樹、「エルサレム賞」を受賞

2009.02.16

ora090216_31
 
2010年にノルウェイの森の映画化が予定されている村上春樹。
 
15日、イスラエルの文学賞「エルサレム賞」を受賞しました。受賞が決まってから文学賞の辞退を求める署名が起きたりもしていましたが、押し切った形で授賞式に参加。そのときの受賞スピーチが話題になっています。
 
とりあえず要約。
 

 一、わたしが小説を書くとき常に心に留めているのは、高くて固い壁と、それにぶつかって壊れる卵のことだ。どちらが正しいか歴史が決めるにしても、わたしは常に卵の側に立つ。壁の側に立つ小説家に何の価値があるだろうか。

 一、高い壁とは戦車だったりロケット弾、白リン弾だったりする。卵は非武装の民間人で、押しつぶされ、撃たれる。

 一、さらに深い意味がある。わたしたち一人一人は卵であり、壊れやすい殻に入った独自の精神を持ち、壁に直面している。壁の名前は、制度である。制度はわたしたちを守るはずのものだが、時に自己増殖してわたしたちを殺し、わたしたちに他者を冷酷かつ効果的、組織的に殺させる。

 一、壁はあまりに高く、強大に見えてわたしたちは希望を失いがちだ。しかし、わたしたち一人一人は、制度にはない、生きた精神を持っている。制度がわたしたちを利用し、増殖するのを許してはならない。制度がわたしたちをつくったのでなく、わたしたちが制度をつくったのだ。

 
春樹節炸裂といった感じで「制度や体制」を「壁」に、「人間」を「卵」に例えた内容が興味深いです。
 
2月18日追記 別記事「村上春樹、受賞スピーチ全文翻訳」を書きました。
 
ora090216_32
トニー滝谷
プレミアム・エディション[DVD]

 

関連してるかもしれない記事

Pocket