目で知ることの大切さを知る「堀内誠一 旅と絵本とデザインと」展

2009.09.04

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世田谷文学館で開催されている、
「堀内誠一 旅と絵本とデザインと」展へ行ってきました。

展覧会では堀内誠一の人生を、
デザインと絵本、そして旅人の3つに分けて
展示していました。
 
 
恵まれたグラフィックデザインの時代
 
とにかく子ども時代からしてずるいと思ってしまうほどに
恵まれた子ども時代にかなり嫉妬(笑)。
1932年に生まれた彼は、父でデザイナーの堀内治雄や
その師、多田北烏らのアトリエに出入りし
その制作活動を目の当たりにしながら成長していきます。
 
そして14歳にして伊勢丹広報部に入り、
後に平凡出版(現マガジンハウス)で出版される雑誌の
アートディレクションやロゴデザインを手がけたり。。
 
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今でもそのロゴが残るものも多いですね。
展示ではブルータスのロゴを試行錯誤した様子も
見て取れました。
 
そして彼のアートディレクションした雑誌は
フルコースのようだと本人が語るように、
写真をゆったり使い、ページをめくるごとに
料理が進んで行くようなそんな世界。
 
メディアとしての雑誌が、最も旬だった時代に
そこにいられたという幸せがあちこちから
にじみ出ているような展示でした。
 
 
絵本作家への傾倒
 
忙しいグラフィックデザインの仕事の合間に
堀内誠一は少しづつ絵本を書いていき、
晩年になるにしたがって、デザイナーから
絵本作家へとその仕事の場を移して行きます。
 
展覧会ではデビュー作「くろうまブランキー」や、
ヒット作「ぐるんぱのようちえん」らの
原画が展示されていました。
 
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これらの原画は繊細なのに迫力があり、
実際に本になったものとはかなり違う印象。
これを見れただけでもここへ来た甲斐がありました。
 
 
28カ国300都市を旅する
 
海外旅行が一般的でなかった1960年にパリを起点として
半年間ヨーロッパを旅してまわってからというもの、
雑誌の取材などで彼は旅を続けました。
 
時として澁澤龍彦(作家)、出口裕弘(仏文学者)、
谷川俊太郎(詩人)、安野光雅(画家)らが旅の仲間となり
あっちこっちへ旅をします。
 
この旅先からのイラスト付きの手紙や、
旅先で描いたイラストや、雑誌の連載なども展示。
 
その様子は「旅の仲間 澁澤龍彦・堀内誠一往復書簡」
「パリからの手紙」などにまとめられています。
 
 
そしてなによりもこの言葉が胸を打ちました。

視覚の記憶の強い人は王者である。
世界を目で知る人は幸せである。

ぼくの絵本美術館より)
 
 
やっぱり雑誌とか、インターネットとかで見て、
見た気分になってちゃダメだなぁ。
実際に出かけて、いろんなものを見なくっちゃいけませんね。
 
 
この展覧会「堀内誠一 旅と絵本とデザインと」は
世田谷文学館では2009年9月6日まで、
その後2010年には全国を巡回する予定になっています。
 
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堀内誠一 旅と絵本とデザインと

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